自作PCを初めて作る人へ

このページにたどり着いた人は、きっとこれから自作PCを作ってみようと思って来てくれたのではないでしょうか。

ここではそんな人のために、自作PCって何なのか?難易度は?どうすればいいの?といったような疑問を1つずつ解消してもらいながら、そもそも自作する必要ある?という用途に合わせたPC購入方法の選択肢を考えてもらう検討の場になればと思っています。

今回は以下の目次に沿って進めていきます。

自作PCって何?

自作PCは読んで字のごとく、自分で好きなパーツを組み合わせて作っていくPCのことです。

自作PCを非常に難しいものと考えている人が誤解している1つに、電子部品とかを基盤にはんだ付けしたり、細かい部品をつけたりしながら作り上げているものと勘違いしていることがあります。

最初に簡単に書いたように、自作PCはあくまでも「パーツ」を組み上げていくものです。

じゃあそのパーツって何?ってことで、主にPCとして動かすために必要なパーツを下に列挙します。

  • CPU
  • マザーボード
  • メモリ
  • ストレージ(SSD、HDD)
  • 電源
  • PCケース(最悪無くても動く)

他にも「グラフィックボード」だったり、「CPUクーラー」、「OSなどのソフト類」など細かいところまで見ていくと必要なものはいろいろありますが、PCをPCたらしめる要素としては上記の項目がメインです。

どれもPCショップや大きめの家電量販店などで扱っており、普通に購入することができます。

繰り返しになりますが、自作PCとはこれらの”パーツを作る”ことではなく、これらの”パーツを組み合わせて”自分だけのPCを作ることなのです。

とりあえずこの時点で少しだけハードルは下がったのではないでしょうか。

ですがまだ、「パーツを組み合わせるだけって言っても難しそう・・・」だったり、「パーツの選び方が分からない・・・」ってことがあると思います。

1つずつ答えていきましょう。

まず1つ目にパーツを組むことに対して難しく感じる必要はありません。

イメージとしてはプラモデルを組むのとそう変わりません。個人的にはプラモデルより簡単だと思ってます。

その理由としては「プラモデルより圧倒的にパーツ数が少ない」、そして「プラモデルと同様に取り付けるところが決まっている」からです。

プラモデルだと数十~多いものだと数百という細かいパーツを組み上げる必要があると思います。それに対して自作PCは、先ほど必須パーツとして記載したものを中心に、多くても20個程度のパーツで済みます。パーツ自体もそれなりに大きいものが多いので無くすといったことも少ないですしね。

そして取り付ける場所が決まっているという点はプラモデルと同じです。基本的にはコネクタ(接続するための端子)の形がそれぞれ違いますし、間違った場所に取り付けることはできないようになっています。そういった意味でも間違って取り付けて壊してしまうといったことは結構少ないです。(どちらかというと取り外すときに注意することが多いと思います)

もちろん電子部品ですから、静電気だったり水、火など気を付けないといけないものはあります。ですが、基本的にそういったものが周りにある環境で物を作る人は少ないと思いますので、実際は意図せずともクリアできている部分ではあります。

そして2つ目、パーツの選び方についてですが、これは正直難しいです。

というのも、何度も繰り返すようですが、自作PCが自分で選んだパーツを組み上げて作るPCである以上、パーツ選びが自作PCの8割を占めるといっても過言ではないからです。

自分の選んだパーツでPCの性能は決まりますし、パーツ選びを間違えればそもそもパーツを取り付けられないという事象が発生することもあります。中には形は同じだけど対応していなかったなんてものもあります。

まぁ自作PCの醍醐味といえばこのパーツ選びなんですけどね。初めて自作PC作る人にとっては大きな関門になることは間違いありません。

1つの解決策としては、レビュアーさんの意見を参考にすることです。

自作PCで使うパーツはよく性能比較などのレビューをしている方々がいます。そういった方が「これを選べば間違いない!」ってパーツを紹介してくれていることがあります。最初はそれらを参考にしてパーツ選びをするのもよいでしょう。

ですが私としてはもう1つの解決策、自分に合ったパーツを選ぶ知識をつけることを推したいです。

自作したことが無い人に対して何を言ってるんだ?と思われるかもしれませんが、パーツの選び方さえなんとなくでも理解してしまえば、初めての自作はもちろんですが、今後PCを買い替えようとなった時にも選択するときの物差しとして大いに役立ちます。そういった意味でも私としては初めての自作だからこそ、誰かの意見を思考停止で使うのではなく、それを参考に自分自身で選ぶ方法を身に着けていただきたいと考えています。

自作PCは一度作ると、2台目、3台目とPCを購入する際に自作を検討することが多いです。もちろん1度作ってみてパーツ選びが面倒とか、見た目やパーツのこだわりが特にないといったことから自作PCでなくなることはありますが、それでも普通に売っているPCを買う場合にもここで身につけた知識はPC選びに役立ってくれることでしょう。

もちろん何のあてもなく頑張って知識つけてね!とは言いません。私のブログでは今後パーツごとに選び方を記事にしていく予定ですので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

ちょっと脱線してしまいましたが、まとめると・・・

  • 自作PCはPCを構成するパーツを組み上げて自分だけのPCを作ること
  • パーツ(CPUなど)を作るわけではなく、買ってきたパーツを組み合わせる作業(=イメージとしてはプラモデル作成に近い)
  • 自作PCはパーツ選びが8割!

専門知識が無くても大丈夫?

続いて専門知識が無くても大丈夫か?ということでお話していきます。

ほぼ1つ目の章で脱線しながら話してしまった気もしますが、自作PCを組み上げる、作り上げることにおいて難しいことを考える必要はありません。

そもそも皆さんの考える専門知識とはどのレベルでしょうか?

電気的な物理学とか、ITとかの情報学、工学的な知識とかでしょうか。

もしそうならそんなものは必要ありません。(もちろんあるに越したことはないでしょうが)

この記事を書いている私も理系ではありましたが専門は生物・化学とかでした。物理とか知りません。CPUがどういう風にできているとか、電源回路とか、そんなもの知りません。

自作PCを作るうえで必要なのは「自分がPCをどのような用途で利用するか」、そして「用途に合わせたPCパーツを選択できるか」の2点です。

1つ目の「自分がPCをどのような用途で利用するか」については特に新しい知識とかも必要はないでしょう。普段自分がどんなことでPCを使っているのか、もしくはこんなことをしたいから新しいPC欲しいんだよなぁでもいいです。ある程度PCを購入する目的をはっきりさせることが重要です。

恐らくある程度知識が必要になってくるのは「用途に合わせたPCパーツ選びをする」ことでしょう。

もちろん初めての方がそんな知識を持っているはずはありませんので、私が今後書いていこうとしているパーツの選び方という記事を参考にしてください。

パーツの選び方ではできるだけ難しい言葉は使わずに、こんな用途ならこのくらいの性能みたいなことをお伝えしていきたいと思っています。「これでOK」とか「これを選んどけ!」とかは言うつもりはありません。そこは自分で考えてください。それこそが自作PCの醍醐味です。そのための知識だけはお伝えします。

選び方を身に付けた後でパーツをレビューしてくれているブログ記事を見に行くのがいいでしょう。選び方が分かったうえで性能を数値で見ると、大体このくらいあるパーツがいいよなぁってのが分かりますので、自分でパーツを選べるようになっていると思います。

そんな感じでこの章のまとめです。

  • 大学で学ぶような学問的知識は必要ありません
  • 必要なのは自分の用途を理解する力とパーツを選ぶ知識

それって自作PCじゃないとダメですか?

ここまでの章では自作PCってどんなものか、そして自作PCはそんなに難しいものじゃないよということをお伝えしてきたつもりです。

恐らくここに来た方は自作PCを作るつもり満々で来ているかと思いますので、これなら自分でも行けそうだ!と感じてきている頃かと思います。

ですがあえて最後のこの章で問いたい。

”本当にそれは自作する必要ありますか?”

自作PCは新しいPCを買う「選択肢」の1つです。

少し強調表現したように、新しいPCを購入する「選択肢」は他にもあります。ここでは自作PCを含め、大きく3つの「選択肢」についてメリットとデメリットを比べながら説明していきます。

まずは1つ目、これは最も皆さんの身近にある買い方でしょう。家電量販店などに売っているメーカーPCです。

メーカーPCの1番のメリットは、何といっても手厚い保証でしょう。メーカー保証はもちろんですが、家電量販店などによっては独自の延長保証を付けてくれることもあります。そしてセットアップなどがすべて済んだ状態で販売されており、買って家に持ち帰って開けばすぐに使えるのもメリットですね。これもお店によると思いますが操作説明をしてくれることもあるでしょう。

このように「初めてPCを買う」、「今すぐほしい」、「壊れた時に保証で直してほしい」といったような要望に応えてくれるのがメーカーPCです。

ではデメリットは何でしょうか?1番大きいのは性能がある程度制限される、もしくは性能で選ぶ場合に選択肢が少ないということです。そして保証や有料ソフトウェアがインストール済みであることから、性能に対して比較的高価になりがちです。PCとは直接関係ありませんが、人によっては家電量販店とかで買うと色々と勧められるのが煩わしいと感じる人もいるでしょうか。

上記のものを含めてまとめるとこんな感じです。

メリットデメリット
○ 保証が手厚い(メーカー保証+購入店保証など)× ゲーム用途で使えるPCは少なめ
○ セットアップ済みですぐ使える× 性能に対して比較的高価
○ 在庫さえあればその日に買って帰れる× 使わないソフトが入っていることが多い
○ 操作説明、使い方を教えてくれる(大抵オプションサービス)× 購入時に他のものと合わせて勧められることがある
○ 身近な店舗で買いやすい

私個人としてはあまりメーカーPCはお勧めできません。ただ、PCを買う方が今まで全くPCを触ったことが無く(もしくは非常に少ない)、保証やセットアップ済みであることに対して大きなメリットを感じられる人であれば選択肢としてはありでしょう。

次に2つ目、PCパーツ専門店やPC専門店でよく販売されている形式ですが、BTOPCです。

ここにきて新しい用語を出すな!と思われる方もいるでしょうが、ちゃんと説明しますので落ち着いてください。

BTOとは”Build To Order”の頭文字をとったもので、簡単に言えばオーダーメイドのPCです。

オーダーメイドと聞くと「高そう・・・」と思われるでしょうが、実はそんなに高価ではありません。全体的に見ても同じくらいの性能のメーカーPCよりは比較的購入しやすいでしょう。これが1つ目のメリットですね。そして1番大きなメリットは自分の用途に合わせてカスタマイズができるという点です。もちろん自作ほどではありませんが、ある程度欲しい機能・性能に合わせてパーツ選択ができます。

ここまで見ると「ほぼ自作PCでは?」と思われるかもしれませんが、正直その通りです。そのうえBTOPCでは動作保証されているパーツを組み合わせてくれるので、パーツ選びを間違えることがありません。これも大きなメリットでしょう。

次にデメリットですが、正直なところあまりデメリットらしいデメリットが個人的にも見当たりません。強いてあげるとすれば、自作に比べると少し高価になりやすい、パーツ選びの幅が少ないのでしっくりハマる構成にしにくい、見た目にはこだわれないといったところでしょうか。

上記のものを含めてまとめるとこんな感じです。

メリットデメリット
○ パーツの相性など含めた保証がある× カスタマイズできるパーツの幅は少ない
○ メーカーPCに比べ、性能に対して比較的安価× 見た目にこだわったPCには向かない(見た目は基本的に固定)
○ 自分の用途(ゲーム用途もOK)に合わせてカスタマイズできる× オーダーメイドなので基本的に届くのに時間がかかる(場合によっては即納モデルもある)
○ 自分の欲しいソフトだけ入れられる× 自作に比べると少し高価(同じパーツ構成なら)
× メーカーPCに対して比較的物が大きめ(場所を取りやすい)

大きなデメリットもなく、イメージとしては自作PCとメーカーPCのいいとこどりのようなPCなので、自分の用途に合ったものがあれば非常におすすめです。

あと1点、上の表に入れようか迷いましたが、メリットにもデメリットにもなりうるので注意点として紹介しますが、基本的にメーカーPCでは標準で搭載されることが多いOfficeソフト(Word/Excel/PowerPointなど)はBTOPCではオプションになっていることが多いです。

人によっては使いたい方もいると思うので、買うときは注意してみましょう。

最後の3つ目が自作PCです。

自作PCの1番のメリットは選択できるパーツ幅の広さでしょう。細かいパーツも含めれば組み合わせは無限にあります。もちろん相性やそれぞれのパーツ性能を引き出す組み合わせがあるので全部が全部組み合わせられるわけではありませんが、それでも数えきれないほどの組み合わせがあり、文字通り自分だけのPCを仕上げることができます。このメリットを生かして見た目にこだわったり、性能極振りPCに仕上げてみたりと、考えている時間が楽しくなってきます。

他にも自分の用途に合わせて細かく調整・カスタマイズができることにもつながります。こういったことを考えながらパーツ選びをしていくと、BTOPCに比べて安価に組み上げることも可能になります。

自作PCのメリットはずばり「自由」、これにつきます。

それではデメリットは何でしょうか。ここまで見てきたPCと比べると1つは簡単にわかってくるでしょう。メーカーPCやBTOPCは基本的に「自分以外が制作したPC」ですのでPCに対して保証が付いてきます。それに対して自作PCは「自分で選んだパーツ」を組み合わせて作成するPCですので、パーツごとに保証はありますが、PCとして保証はしてくれません。動かなくなってもどのパーツが悪いのかは自分で見つける必要があります。そのうえでパーツのメーカーに問い合わせて修理してもらう、もしくはパーツを買いなおすということになるでしょう。

このように自作PCの1番のメリットである「自由」の代償として、組み上げからセットアップ、故障した時の対処に至るまで、基本的にすべて自分自身でやっていく必要があるのです。

上記のものを含めてまとめるとこんな感じです。

メリットデメリット
○ 自分の用途に合わせて自由にカスタマイズできる× PCとして保証が無いので基本的には自己責任(パーツ保証はあることが多い)
○ 自分の欲しいソフトだけ入れられる× パーツ選び、ソフトウェア(OSやウイルス対策ソフトなど)の知識が必要
○ コストにこだわると1番安く手に入る× 特に見た目にこだわると高価になりやすい

メリットもデメリットもここまで紹介したPCの選択肢の中では数が少ないですが、どちらも影響の大きい項目になっています。ハイリスクハイリターンといったところでしょうか。

大半のものが自由に選択できる反面、基本的に自己責任になるという点で手放しでお勧めはしにくいです。ただこれらのことを理解したうえで、自分で情報を取りに行ける人には非常に有用な選択肢になるでしょう。

昨今は私のブログを含め、インターネットにたくさんの情報があふれています。取捨選択は必要ですがこういった情報を自分で得る力は、自作PCだけでなくとも必要不可欠だと思いますので、その勉強の一環として自作PCを選択するのもいいかもしれないですね。(少しでも興味があることの方が良いですから)

少し逸れましたが、ここまで自作PCを含めて3つのPC購入方法を紹介してきました。

なんとなく聞いたことがあって興味があったから自作PCで作ってみたい、という考えでこのブログにたどり着いてくれた方もいるでしょう。もちろん明確な意思をもって今回は自作で行く!と考えたうえでどうやって自作PC作ればいいんだろうという感じでここに来てくれた人もいると思います。

どういった形でこのブログにたどり着いたかは問いません。ですが自作PCを作るということに固執しすぎてはいないでしょうか?

自作PCが悪いと言っているわけではなく、自分の用途、そして各PC購入方法のメリットとデメリットを見比べたうえで、”本当にこれは自作する必要あるのか?”と今一度考えてみてください。

そのうえで自作PCを作る!と思った方はぜひ今後作成する「パーツの選び方」を参考に自作PCに挑戦してみてください。

皆さんの自作PCライフを今後も応援していきます!

今回はこんなところで失礼します。ありがとうございました!

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